Alol next...

悪いことをした人を罰することは
誰にとっての正義でも悪でもなく
正解なんてどこにもなく、結局のところなにもわからない(あいさつ

チルドレンがすごく好きで、
それの続編だって言うのを偶然店頭で見かけて
即買いしました。

内容は、チルドレンからはまた一歩はみ出して、
少年犯罪という重厚なテーマでしたが、
陣内さんの人柄がそれをまた緩和させていて、

良いバランスでした。

読んでみて思ったのは、
日常のひとかけらはそんなに気にすることでは無いということ。

そんなこと気にするより、
今ここで全力投球しろよ。と。

周りを見るとちゃんとキャッチャーもいるし、
構えて打ち返してくるバッターもいる。

守備がいることを忘れがちなのが、
この世の中の大半の人なんだろうなぁと。
そんなこと考えさせられるお話。

ギリギリと脳が絞められる感覚。
執念という名の鎖(あいさつ

はぁ、と読み終えるとため息。
鳥肌が立ち切るのと同時。

気持ちのいい終わりではないけど、
読み終えた満足感にゾクゾクする。

タイトルや、帯の煽りを見ての感想は、
なんだか渋いなぁと。

難しそうなイメージを抱いてましたが、
要点がかなり絞られていて、情景が把握しやすかったです。

ただ、その分リアリティに富んでいるので、
人によっては受け付けないシーンもちらほら。
いい意味で生々しい。

想像しやすい非現実はなかなかにして
脳髄を揺さぶりました。

殺人のないミステリ
え、どうやって書くの？という興味が先行した(あいさつ

お触れの通り、誰も死なない作品です。
基本的な内容としては、文化省のヒラ社員である、
主人公の水鏡が、ずばずばと悪事というかねつ造を暴いていく。

抜群の知識量と持ち前の正義感だけで、
のしのしと歩いていく様はまさに爽快そのものでした。

あくまでこの作品はフィクションですが、
人によっては耳が痛くなったりする言葉がちらほらと。
そして、結構こういうことは多いのかなぁなんて落胆したり。

暴かれていくねつ造を一つまた一つと読んでいく度にいろいろ思います。

ただ、そんな中、主人公の水鏡が可愛い。
なんかもう真っすぐ過ぎて不器用な面もあるのですが、
それも含めて可愛い。

可愛い。　……のはいいのですが、

大きく話をジャンル分けするとして、
探偵パートは面白いのに恋愛パートが若干蛇足だなとは感じました。
なんというか話の割には甘ったるく感じます。

それを抜きにしても知恵比べを延々としていく感じは
読みやすくさらっと読めるので、
もやっとしているときに読むと気持ちが晴れそうだなという感想で〆。

生協の白石さんに似てるなぁなんて読み始めてた
最初の自分を引っ叩きたい(あいさつ

全体を通してすごく眼の潤う話でした。
内容もわかりやすく心にストンと落ちる。

ナミヤ雑貨店の店主に相談してくるさまざまな人の
それぞれの人生が一つ一つちゃんと実になっていく様は
感慨深く、読み終わったときはなんだか自然と息が漏れていました。

疲れた時に読みたい本ですね。

誰もがみんな、
ひとつやふたつ、何かを隠して生きている(あいさつ

6割を超えたぐらいで、
「この人が犯人だったら面白いなー」なんて考えてたら、
その道筋はあってた。

どんでん返しではありますが、
そういう意味では意外性はなかったです。
気づかなかったらそれはまた面白かったんだろうなって。

ただ、それでも面白かったです。

ポワロはいつも肝心なことを口にしません。
その言動に周りは振り回されますが、
彼の言っていることは的しか得ていない。

感情移入しやすい人ほど、
考える余地のある作品だなぁーって。

私が犯人に気づいたのも、
ポワロよりは遅く、最初からいろいろ仮説を
立てきっていたところはさすがと。ふむー、と。

探偵ポワロが引退した後の話ですが、
灰色の脳細胞も、きらりと光る饒舌も
殺人事件なのに、ワクワクしながら読める起因でしょうね。